概要
蘚苔類は陸上植物の仲間ではあるが,維管束を持たず胞子体が配偶体に寄生的に着生していることが大きく異なる。蘚苔類は蘚類(マゴケ植物門),苔類(ゼニゴケ植物門),ツノゴケ類(ツノゴケ植物門)の3つのグループ(門)からなる。植物体の高さが1cm未満の微小な種が多いため目立たないが,日本には約1,800種の蘚苔類が分布している。福岡県の蘚苔類相については,1960年代~1970年代前半に尼川大録,長田武正,梅津幸雄,桑原幸信氏らの報告がある。特に,尼川・長田氏らの「野河内渓谷のコケ植物図説」のシリーズは,野河内渓谷に生育する全ての蘚苔類種について,形態的な詳しい記載と図による解説があり,蘚苔類に興味のある初心者にとっても貴重な文献となっている。