福岡県レッドデータブック

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各分類群の概論

概要

県内には現在までにカメ目5種(外来種を含む),有鱗目11種の合計16種の爬虫類が分布している(福岡県爬虫類目録)。福岡県RDB2014作成時と同様にそれら全種を対象として,確認位置を環境庁の3次メッシュや日本測地系の緯度,経度で記録し,現地調査を行った。また,分布情報として分科会委員と調査協力者による現地情報,関連文献,河川水辺の国勢調査などで得られたデータを含め,掲載種選定の評価をした。

現地調査では目視および可能であれば採取をして同定を行った。また,ヘビ類では同定が可能な場合に限り脱皮殻も含め,やはり同定が可能な路上死体(DOR: Dead on road)も対象として記録した。

爬虫類の生活には気温や餌となる生き物の生息も欠かせない。また,夜間に活動する種も多いため,適宜,夜間調査も実施し,こうした調査結果に基づき分科会委員の総合的な判断により,掲載種として選定した。

種の同定には日本爬虫両棲類学会編(2021),高田・大谷(2011),内山ほか(2002),千石(1979),中村・上野(1963)などを用いた。種の分類と和名に関しては日本爬虫両棲類学会の日本産爬虫両生類標準和名(2023)に従った。なお,前回よりニホンスッポンの学名が変更になっているが,研究が進んだ結果,分類学的に細分化され,日本国内の在来種の学名はPelodiscus japonicusに変更になった。なお,従来用いられてきた学名Pelodiscus sinensisは和名をチュウゴクスッポンとされ,九州には食用・養殖用に持ち込まれた外来種である(Suzuki et al., 2014;日本爬虫両棲類学会,2023)。これら2種の外見での識別は現状では困難であり,また国内では交雑個体も報告されていることから,今回の改訂作業においては,暫定的に県内のスッポン属は単一種であるとみなして記録を集積した。

また,県内の海岸からはアオウミガメ,ヒメウミガメ,タイマイ,オサガメ,セグロウミヘビなどの海生爬虫類の記録もある。ただし,ほとんどが漂着死体のため,本調査では上陸して産卵記録のあるアカウミガメのみを対象とした。

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