保全対策
今回の改訂では維管束植物では606種がリストに掲載され,掲載種数は前回よりも26種増加した。新たに掲載した種が54種あるほか,RDB2001からカテゴリーを高いものに変更した種が17種,情報不足からカテゴリー評価を行ったものが98種あり,この10年間においても全般的には生物の絶滅の危険性は増大していると言える。
この10年間で増加した植物へのリスクとしてシカによる食害が挙げられる。英彦山地および古処山地ではシカの増加が林床の植物に壊滅的な打撃を与えている。国定公園等の自然保護区において特にシカが増加しており,林床の植物が全くない場所もある。既に確認できなくなっている希少植物については,最近まで生育していた生育地を囲うシカよけフェンスを早急に設置し,埋土種子等からの再生を急ぐ必要がある。