福岡県レッドデータブック

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各分類群の概論

検討手順

福岡県に生息する鳥類の絶滅のおそれのある種を選定するにあたって,環境省の判定基準に準じて評価・選定する基本方針のもと,既存文献からの情報の収集および現地調査を行い,可能な限り定量的な評価を行うように努めた。このため,鳥類分科会委員には公益財団法人日本野鳥の会の県内の4支部から各1名と学識者など4名の計8名が参加し,検討作業を行った。既存資料については,日本野鳥の会の支部報,自治体や官公庁が実施した自然環境調査,アセス図書などを収集し,整理した。また,環境省によるモニタリングサイト1000の調査結果や認定NPO法人バードリサーチが事務局となって実施した全国鳥類繁殖分布調査などの公的なモニタリングのデータを活用し,経年的な個体数動向の確認を行った。現地調査は,主に島嶼や海域について実施したほか,岡部委員による県内の調査データ約6万件も活用した。

前回の「福岡県レッドデータブック2011」で提示した福岡県産鳥類目録をベースに,その後の記録を収集し,整理・検討を行って目録を更新し,407種をリストアップした(表 鳥類-1)。これらのうち,定期的に観察される種を選定し,偶産種を除外し(ただし環境省レッドリスト掲載種は除外しない),289の種・亜種を検討対象種とした。なお,鳥類の目名・科名・和名・学名および配列は日本鳥学会(2024)に従った。

検討対象種のうち,前回の選定種90種については,前回の選定時と同様,山岸ら(2002)を参考とした生息状況調査シート(福岡県,2011)を日本野鳥の会4支部ごとに作成し,それらをもとに県内の状況を整理した。また,残りの検討対象種(199種・亜種)についても同様に県内の状況を整理した。カテゴリーの選定にあたっては,環境省レッドリストカテゴリー判定基準の元となっているIUCN(国際自然保護連合)のカテゴリー判定基準に適用できるよう,検討対象種に対して,県内の分布パターン(生息地数),分布面積,生息概数,個体数の増減傾向(減少率)についてIUCNの数値基準で区分した。数値基準の凡例区分は表 鳥類-2のとおりである。これらの項目の数値区分をもとに、環境省レッドリストカテゴリーと判定基準の表(p.13の表3を参照)によって導き出されたカテゴリー判定結果を一次案とした。そして種別に危機の度合いの大きさ,増減傾向,地域特性やほかのレッドリストとの整合性などを総合的に検討し,絶滅危惧のカテゴリーを選定した。

分布情報については、前回改訂後2011年以降の記録について、現地調査結果や各種文献から抽出し記載した。それらは繁殖・越冬・渡り・偶産の区別なく全ての記録を含んでいる。

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