哺乳類では，2001年版において定量的な把握が困難であったことから，定性的な判断にとどまる哺乳類分科会独自のカテゴリーを採用したが，今回は福岡県希少野生生物保護検討会議によるカテゴリーに従った。しかし，2001年版に比べ，定量的な判断をより正確に行うための十分な調査結果や資料・情報が今回得られたわけではない。基本的には2001年版での評価を基準に，それ以降の報告書や個人の情報を収集・精査するとともに，新たな調査結果および隣県での情報などを参考にし，それらを総合的に判断した。最終的には哺乳類分科会の各委員の経験に頼る面が大きかったが，委員全員で議論して評価した。特に，2001年版において「絶滅危惧」と一括評価していた内容を，「IA類」，「IB類」および「II類」に区分することはかなり困難であった。希少種の選定とカテゴリーの判断には，長期にわたる継続した調査結果の積み重ねが必要である。