生物多様性(せいぶつたようせい)ってなに

生きものに支えられる私たち

私たちの生活は、生きもののめぐみによって支えられています。私たちが食べている肉、魚、野菜、米もすべて生きものが原料です。 おいしい水、きれいな空気は植物が作りだしたものです。私たちは他の生きもののいのちをもらったり、利用したりすることで生きていけます。 みんなが通う学校の教室にも、たくさんの生きものからのめぐみがあります。

画像:机や椅子
つくえやいすに木が使われています
画像:鉛筆やノートの写真
えんぴつやノートも木が原料です
画像:毛筆の写真
毛筆は動物の毛でできています
画像:給食の写真
給食のほとんどは生きものが原料です

科学にも生きものからのめぐみが

科学は私たちに便利で安全なくらしをもたらしました。そんな科学の発展(はってん)にも、生きものはさまざまなめぐみをあたえています。

私たちの健康を守る薬の40%が、生きものがつくる成分から開発されたといわれています。まだ知られていない多くの生きものから、ガンの特効薬(とっこうやく)などがこれから見つかるかもしれません。

イラスト:エコトン

インフルエンザ治りょう薬のタミフルは、トウシキミの実(八角)から作られました

画像:トウシキミの花の写真
トウシキミの花
画像:トウシキミの実の写真
トウシキミの実(八角)
イラスト:エコトン

抗がん剤(こうがんざい)のタキソールは、針葉樹(しんようじゅ)のイチイから作られました

画像:針葉樹のイチイの写真
針葉樹(しんようじゅ)のイチイ

バイオミメティクス

新しい製品(せいひん)や技術(ぎじゅつ)を開発する時に、生きものの体のつくりや機能(きのう)など、生きものが持つすぐれた部分をヒントにすることを、バイオミメティクス(バイオ=生物、ミメティクス=まね)といいます。開発にかかる時間やお金を少なくできるとして注目されています。

イラスト:エコトン

500系(けい)新幹線(しんかんせん)の形は、
カワセミという鳥の頭部をヒントに考えられました。

画像:カワセミの写真
カワセミ
画像:500系新幹線の写真
500系(けい)新幹線(しんかんせん)

生命(いのち)の「つながり」と「にぎわい」

いのちのつながり

生きものたちはひとりぼっちじゃ生きていけず、他の生きものと食う-食われるなどの関係でつながっていること。また、たったひとつの生きものから鳥やこん虫、ほ乳類や人間が誕生したように、生きものそれぞれに歴史上のつながりがあります。この2つのつながりをあわせて「いのちのつながり」とよびます。

いのちのにぎわい

「自然」と一口に言っても、森や草原、海、川のように、いろいろあります。森にはフクロウ、草原にはバッタのように、その場所でしか会えない生き物もいっぱいいます。草原も、バッタだけでなく、ネズミやトカゲ、アリや、チョウや、 タンポポ…数えきれないくらいたくさんの生きものがいます。

このように、いろいろな場所で、いろいろな生きものがにぎやかにくらしていることを「いのちのにぎわい」とよびます。

生物多様性(せいぶつたようせい)とは

自然の中では、たくさんの種類の生きものがにぎわい、それぞれつながりあって生きていて、そのつながりによってバランスが取れた状態(じょうたい)になっています。少しむずかしいですが、これを「生物多様性(せいぶつたようせい)」とよびます。