昆虫採集のコツ ~ピットフォールトラップ~

 動きまわる昆虫を観察する上で、捕獲はとても大事な一歩。捕獲なしでは、体のつくりを観察したり、種類を調べたり、行動を観察したりできない昆虫も少なくありません。ここでは、昆虫採集の1つの手法であるピットフォールトラップを紹介します。

ピットフォールトラップとは

 ピットフォールトラップの語源は英語のpitfall trap、つまり落とし穴によるワナのことです。
 昆虫採集といえば、捕虫網を使って、飛んでいる昆虫や枝葉に止まっている昆虫を捕らえるイメージが強いですが、実は地面を歩き回って暮らす昆虫類もたくさんいて、このような昆虫類は捕虫網ではなかなか捕まえられません。これを捕らえるのがピットフォールトラップというわけです。

ピットフォールトラップの設置方法

用意するもの

  • 使い捨てのプラスチック製コップ:275mlくらいが使いやすい
  • カップ麺などの容器、または牛乳パック
  • 竹串
  • キリ
  • スコップ
  • 誘因餌:魚肉ソーセージ、煮干し、寿司の粉、果物、乳酸菌飲料、さなぎ粉(ホームセンターや釣具屋で売っています)などがよく使われます
  • お茶パック

手順

①-1 粉末状の餌を使う場合:プラスチック製コップの底に、キリで水抜き穴を数か所を開けます。お茶パックに餌を入れ、お茶パックごとコップに入れます(餌を直接コップに入れると捕獲された昆虫類が餌で汚れてしまうため)。
①-2 液体の餌を使う場合:穴を開けていないコップに少量の餌を入れます。

② スコップを使って地面に穴を掘り、コップのふちと地面が同じ高さになるようコップを埋めます。コップのふちと地面の間になるべく段差がないようにするのがコツです。

③ カップ麺の容器または適当な大きさに切った牛乳パックを使って、竹串を支柱にして雨よけ用の屋根をつけます。(雨が降らない場合は不要)

④ 1晩放置して、翌朝にトラップを回収します。

  • 用意するもの

  • トラップを埋めているところ

  • トラップに雨よけを付けたところ