近年，2017年頃は大牟田市沿岸のトゲイカリナマコ多産地で生体が見みられたが，以降発見できず，底質の変化でトゲイカリナマコの多産地も減少傾向にある。過去には，大牟田市三池沖（波部・田中，1969），大牟田市沖（園田，2011），環境省調査による柳川市沖の記録（2005年）などがある。有明海奥部では，沖積平野や海底の堆積物中から殻が多く確認されていた。日本ベントス学会（2012）のカテゴリーに準じた。

大牟田市，柳川市

本種は有明海・八代海に分布し，トゲイカリナマコ Protankyra bidentata (Woodward & Barrett, 1858)の体表および巣穴に共生する。殻長12mm，長楕円形，やや厚質，薄い褐色の殻皮を備え，明瞭な成長肋がある。