福岡県植物目録（1952）では，ため池や溝，山麓の水田にやや稀に生育する植物として記録されている。今回の調査では豊前市，須恵町（2か所），上毛町（4か所）の計7か所で生育を確認した。現存する生育地が小さく，除草剤や外来種侵入などによる生育環境の変化で，生育地面積の継続的な減少が推定される。

豊前市，須恵町，上毛町，*築上町

ため池，稀に河川や水路などに生える沈水性の一年草。葉は対生，基部は葉鞘となる。生育環境によって，葉のサイズ，形，刺状の鋸歯の発達程度など著しい変異がある。雌雄異株。花期は8～11月。葉の幅は2mm以上，鋸歯は刺状で，イバラモ属の中では最も幅広い葉を持つ。