シカの食害によって林床植生が貧弱化している群落が存在する。それらの群落では，モミなどの主要樹種の稚樹密度も低く，天然更新が望めない可能性もある。台風や降雨の激甚化などによる群落に対する攪乱頻度・強度の高まりが懸念される。

*筑紫野市，太宰府市，*朝倉市，添田町

暖温帯上部から冷温帯下部に成立するモミを優占種とする群落で，まとまった面積を持つ群落は限られている。モミが高木層で優占し，シキミやハイノキなどを高頻度で伴う。アカガシやウラジロガシ，ヤブツバキ，シキミなどの常緑広葉樹，ブナやコハウチワカエデ，シラキなどの落葉広葉樹が混生する。シキミ－モミ群集に該当する。

耶馬日田英彦山国定公園特別地域，太宰府県立自然公園特別地域，筑後川県立自然公園特別地域，英彦山モミ等遺伝資源希少個体群保護林，環境省特定植物群落；29，48