ヤマノカミ
学名:Trachidermus fasciatus Heckel, 1837Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
選定理由 | 有明海北部とその流入河川に分布し,海で産卵,川で成長する降河回遊魚。かつて筑後川中流域まで遡上したとされるが,筑後大堰建設後,その生息域は大幅に狭められた。近隣の他河川でも河口堰による遡上阻害が認められる。河川遡上中の幼魚は各河川の最下流堰直下流に多く見受けられるが,その後,あまり姿を見ることができず,若魚期を過ごす生息の適地まで遡上できていない可能性が高い。本種はタイラギやカキなどの大型二枚貝の空殻に産卵するため,有明海沿岸域での二枚貝類減少なども危機要因として危惧される。 |
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危機要因 | 河川開発 海岸開発 ダム建設 |
分布情報 |
有明海,筑後川水系,矢部川水系などの有明海流入河川 MAP |
種の概要 | 国内では有明海とその流入河川にのみ分布する大陸遺存種である。全国的に見ても,諫早湾干拓でその生息地は大幅に減少した。産卵期は2~3月で二枚貝空殻に産卵し,雄が卵を保護する。春季には孵化仔魚が沿岸域で浮遊生活を営み,2~3 cmで着底して河川に遡上する。夏季の高水温期には,冷たい水が湧き出る湧水周囲などに群れていることがある。秋から冬にかけて川を下り,産卵して斃死する年魚。 |
生息環境 |
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