山間や丘陵地の比較的浅く，起源の古い，貧栄養の池沼に見られる。もともと自生地はそれほど多くなかったが，水質汚濁や池沼周辺の樹木類の繁茂による太陽光の遮りなどにより更に減少している。RDB（レッドデータブック）2001ではため池水生植物群落としてカテゴリーⅡとしていたが，減少傾向にあるためカテゴリーⅠに変更した。現存する群生地は貴重である。

豊前市，上毛町（旧新吉富村），築上町（旧椎田町），嘉麻市（旧嘉穂町），赤村ほか

池沼の比較的浅い箇所に生育し，ヒツジグサの純群落となる場合が多いが，やや富栄養化した池沼ではジュンサイ，フトヒルムシロ，ホソバミズヒキモ，カンガレイ，クロモなどが混生する。定期的な池沼水の循環が行われずに，富栄養化が進行してヒツジグサが消滅する箇所が続出している。ヒツジグサ－ジュンサイ群集。