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種の解説

マテバシイ群落

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RDB2001概説

画像:傾斜地にマテバシイをはじめとする植物が密生している。マテバシイ群落。
分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅣ
群落の特徴

マテバシイ群落は,対馬海流の影響を受ける,北部九州沿岸および島嶼部に特徴的に分布する照葉樹林である。県内では玄界灘に面した地方に断続的に分布している。

マテバシイは萌芽性が強く,成長が早いことから,これらの地方では薪炭林として利用されてきた。そのためほとんどの群落は20~30年生の二次林であるが,鴻巣山や姫島山頂付近には胸高直径30~40cm程度に成長した林分も見られる。

群落構成

高木層はマテバシイが優占し,タブノキ,シロダモ,ヤブニッケイ,ハゼノキなどを混じえる。亜高木層以下ではイヌビワ,ハマビワ,ヤブツバキ,マサキ,トベラ,ハクサンボク,ムサシアブミなど暖地海岸性の種を多く含んでいる。

若い林分では,しばしば強く萌芽したマテバシイが純林状態を呈し,このような林分では林床植生は貧弱である。

保存状況

志賀島や糸島半島沿岸部では,かつては広範囲でマテバシイ群落が見られたが,薪炭利用が無くなった今日,かなりの部分が柑橘類を中心とした果樹園に置き換えられている。現在,良好な群落として残されているのは,ほとんどが玄海国定公園の特別地域指定がなされている範囲である。これ以外の林分については,なかば公園化されている鴻巣山以外では,開発行為を受ける可能性がある。

群落評価 C(福岡県)
補足情報

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