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種の解説

ムクロジ群落

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RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅣ
群落の特徴

高木層にムクロジが優占する谷地形上の夏緑高木林。ムクロジは比較的まれな植物で,県内での群生地は,白馬山(大法山)中腹,城山南面に限られる。いずれも土壌は薄く,地表に大小の転石が累積している。母岩が露出する生育地もある。このことから,ムクロジ群落は照葉樹林帯下部における微地形を反映した樹林とみなされる。ムクロジの胸高直径は30~80cm,群落高は25前後,夏季に林冠が閉鎖する。新緑や黄葉の季節では,その際だった林冠の色調で周囲の照葉樹林から明瞭に区別される。

群落構成

林冠にムクロジが優占し,エノキ,ムクノキ,ハゼノキなどの夏緑樹,タブノキ,ヤブニッケイ,シロダモ,カゴノキ,バリバリノキ,ナナミノキ,アラカシなどの照葉樹を低被度で混じえるが,シイノキはほとんど見られない。低木層にアオキが密生する。

種組成は白馬山,城山とも似ているが,一部の出現種と地表の様子が異なる。白馬山では転石が集積した緩傾斜の谷に見られ,ホソバタブ,シイモチ,イワヒトデ,ウワバミソウなどが生じ,転石にコケ類が密生する。城山では母岩が露出し表土の薄い急傾斜の谷に発達し,カヤ,イロハモミジ,イヌシデ,ノグルミ,ウラジロガシ,ナチシダなどが見られ,転石にマメヅタが頻出する。

保存状況

いずれも人為的影響が少なく,保存状態は良好である。表土の薄い城山の群落では風倒害が生じることもある。ムクロジはよく結実し,稚樹を含む後継樹もいくらか見られるので,大規模な風倒害がない限り,今後ともムクロジ優占林として存続すると考えられる。

群落評価 B(福岡県)
補足情報

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