福岡県レッドデータブック

文字サイズ
画像:文字サイズ小
画像:文字サイズ中
画像:文字サイズ大
検索

種の解説

ツゲ群落

しおりを挿む

Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。

RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅣ
群落の特徴

古処山(標高860)は,甘木市の北東部,嘉穂郡との境界線となる馬見山系の西端に位置し,山頂域が結晶質石灰岩からなり,福岡県内で唯一のツゲの天然林ならびに人工林が分布する。

天然林は,稚樹から樹齢300年前後で樹高3~9,胸高直径10~20cmに達するものがあり,これらが標高700前後の石灰岩塊地から山頂の露岩地一帯にかけて点在あるいは群落状に天然分布する。

人工林は1905~1912年,古処山の南東斜面の甘木市側の標高700前後の山腹に2.8ha植栽されたもので,現在,樹齢87~94年生のツゲ林となっている。樹形は樹高3~8,胸高直径5~18cmと,やや不ぞろいであるが県内外にほとんど例をみないツゲの人工造林地として貴重な存在である。

群落構成

天然林の林相は,高木層がブナ,ケヤキ,アカシデ,クマシデ,リョウブ,コハウチワカエデ,アカガシ,亜高木~低木層にはリョウブ,ケクロモジ,ヤマボウシ,イロハモミジ,イボタノキ,ハイノキ,ハナイカダ,ツルシキミ,コマユミ,アブラチャン,ハマクサギなどの暖温帯構成種からなる。天然生ツゲは,この林分中の土壌層または岩塊に付着したコケ層から発芽し,稚樹や低~中木層として生育している。また露岩地では優占種となって自生混交している。草本層の植被率は低い。

人工林はやや樹高のバラツキがあるが,ほかの樹種の混交がほとんどない一斉林で,林床植生の植被率がすこぶる低い。

保存状況

天然林の中には登山路もあるが,ツゲは人為的その他の災害はほとんどなく,更新稚樹が発生し天然林の様相が保たれている。

人工林は,保育管理のため林内整理,害虫防除などが行われてきたため,現在は樹冠が閉鎖し林床植被率がすこぶる低い一斉林分となっている。

群落評価 A(福岡県)
補足情報

2011版データを見る

Copyright © Fukuoka Prefecture All right reserved.