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種の解説

マルバニッケイ群落

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RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅢ
群落の特徴

マルバニッケイは海岸の崖地に生える常緑小高木で,県内では大島にのみ分布し,ここが北限自生地となっている。本種の優占する海岸風衝低木林は,屋久島や長崎県男女群島などの海岸断崖に分布しているが,大島においても北側海岸の断崖約1kmの範囲にわたって見られる。比較的緩やかな斜面では群落高7程度に達する。また急傾斜地では,群落高3~4程度でほかの樹木をほとんど混じえない純林状の林分も見られる。

群落構成

マルバニッケイのほか,ハマビワ,ハマヒサカキ,マサキ,トベラなどの樹木を混生する。また林床には,ツワブキ,ホソバワダン,オニヤブソテツなどが見られる。林床の構成種は斜面角度や露岩率などで異なる傾向があり,斜面角度の大きい岩石地では,ダルマギク,ハマボッス,ハマナデシコなどの海岸岩角地に生育する草本が出現する。斜面角度の緩やかな所ではノシランが比較的高密度で出現する。

保存状況

群落全体の保存状況はおおむね良好である。本群落は,北限群落として学術的にも貴重であり,また海岸断崖の自然植生として景観的にも優れている。現在,群落に隣接して島循環道路が建設中で,一部ではあるが測量のための伐採があった。道路の開通により,群落境界付近での日照,風通しなど各種の環境変化が予測される。また,道路法面から林床への土砂の流入防止など,今後群落保全のための施策が望まれる。

群落評価 B(福岡県)
補足情報

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