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種の解説

クロモジ群落

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RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅢ
群落の特徴

クロモジは従来北海道,本州,四国に分布し,山口県が西南限自生地とされてきた。しかし,1970年に若宮町菅岳に接する篠栗町呑山の北西斜面のアカマツ林内や落葉林内に自生しているのが発見され,今日でも九州地方唯一の産地,しかも西南限の自生地となっている。コナラなどの落葉林内に低木として生育するが,地史学的・植物地理学的に重要な群落である。

群落構成

当初アカマツ林およびクヌギ・コナラなど落葉広葉樹林の下層植生として見られたが,その後アカマツは枯損し,クヌギ,コナラは伐採された。現在はその後に成立した樹高8~10くらいのコナラ,カラスザンショウ,アカメガシワ,ノグルミなどの林の下層植生のひとつとして生育している。クロモジの樹高は2~4くらいである。その他の低木にはクロキ,ヒサカキ,イヌツゲ,ネズミモチ,カナクギノキ,コバノガマズミなどが多く,テイカカズラ,サネカズラ,スイカズラ,アケビなどつる植物も多く繁茂している。林床は明るく草本層にはツルシキミ,フユイチゴ,チヂミザサ,ヒメバライチゴ,ヤマハッカなどのほか多数の植物が見られる。

保存状況

シイタケ原木としてクヌギ,コナラ,ノグルミなどを利用している林であり,十数年ごとに伐採・萌芽再生を繰り返している。特別な保護措置はないが,慣習的な施業に適合してクロモジも生育を続けている。今後もこのサイクルが続けばクロモジも生育すると思われるが,放置されたままだと低木として存在するタブノキ,ヤブニッケイ,クロキ,ネズミモチ,シロダモなどの常緑樹林に移行し,クロモジは次第に衰退していくものと思われる。

群落評価 C(福岡県)
補足情報

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