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種の解説

タマミズキ群落

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RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅢ
群落の特徴

矢部川と笠原川の合流点付近に位置する,城山(標高240)の北西斜面のコジイ林内に分布する。相当数の個体が生育しており,県内他所では見られない。城山は「昭和の森公園」として利用され遊歩道などが整備されているが,タマミズキの生育する北西側斜面一帯は,やや急勾配のため自然状態が維持されている。胸高直径10~40cm,樹高15~20の高木約50個体よりなるが,2~4本の株立ちのものも多く,伐採による再生林と思われる。赤い果実の残るタマミズキ群落の景観は,この地方の冬の風物詩といえる。

群落構成

高木層はコジイが優占する典型的な照葉樹林で,その中に樹高15~20のタマミズキが抜き出て林立する。亜高木層はコジイ,タブノキ,リョウブ,サカキ,ヤブツバキなど,低木層はコジイ,アラカシ,シイモチ,ヒサカキ,ヤブツバキなどによって構成されている。草本層はやや乾燥気味の土質と,陰樹林下の低い照度のため貧弱で,オオカグマ,コジイ,ウラジロなど10種程度である。コジイの更新は見られるが,タマミズキは高木層以外に出現せず更新が見られない。

保存状況

城山は周囲をスギ・ヒノキ植林,モウソウチク林などに囲まれている。山上部はサクラ,モミジ,サザンカなどを植裁し公園とされているが,タマミズキ群落のある北西側の笠原川沿いの斜面は,再生シイ林として自然状態が維持されている。タマミズキの更新にはコジイの適度な伐採による維持管理が必要であるが,一方では公園整備,伐採などの人的要因による群落の破壊が危惧される。

群落評価 B(福岡県)
補足情報

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