アカシデ-イヌシデ群落
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群落の特徴 | 北部九州の標高500 以上で見られる。夏緑樹林帯下部の林で以前から薪炭林として利用され,定期的な伐採により林相が貧弱な地域が多い。 |
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群落構成 | 稜線近くの林分はアカマツやリョウブ,コバノミツバツツジなどを伴い,林床はシシガシラ,イワガラミ,ノガリヤスなどの陽地性の植物が多く,植被率は50%を越えない。近年アカマツは虫害で枯損し,リョウブ,コナラなどの林に代わりつつある。 比較的自然度の高い群落は山の中腹部に見られる。高木層は胸高直径40cmを越え,樹高15 程度になる。ヤマボウシ,ミズメ,ウリハダカエデ,コシアブラなど落葉樹が圧倒的に多い。亜高木層および低木層はクロモジ類,タンナサワフタギ,ツリバナ,シラキのほか,ヤブツバキ,カゴノキなどの照葉樹も混じる。林床植生は,北斜面側ではミヤマカンスゲ,ヒトリシズカ,フタリシズカなどのほか,山地によりキバナアキギリ,ルイヨウボタン,ハシリドコロ,ジンジソウ,ダイモンジソウなど,南側や露岩の多い尾根筋にはコバノミツバツツジ,コゴメウツギ,ヤマグルマ,ウグイスカグラなどが出現する。 |
保存状況 | シデ林は国有林・公有林に多く,かつては薪炭利用に供された林分が多いが,その後放置され回復途上にある。また,1970年代の拡大造林時代には林道建設でシデ林域が最も被害を受けた。道路脇では,ススキ,ノリウツギ,アカメガシワ,カラスザンショウの侵入が甚だしい。林内には山地性の貴重種が非常に多く,環境変化に対応できないものも多い。現在の林分はその後回復してきたものである。今後とも保存されていくことが望ましい。 |
群落評価 | C(福岡県) |