オカミミガイ
学名:Ellobium chinense (Pfeiffer, 1854)Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
生息状況・危機の状況・選定理由 | 本種はかつては,志摩町野北,福岡市西区(今津,姪浜小戸),中央区(樋井川,荒津),東区(箱崎汐井浜,和白),玄海町釣川河口,岡垣町汐入川河口,北九州市曽根干潟,柳川市(沖端川河口,塩塚川右岸),大和町矢部川河口,大牟田市黒崎隈川など県内各地の河口のヨシ群落に生息していたが,現在は博多湾(瑞梅寺川河口),豊前海(曽根干潟),有明海(柳川市沖端川,矢部川,塩塚川)で確認されるだけである。瑞梅寺川を除き,これら産地では比較的大規模な集団が見られるが,生息範囲が汽水域高潮帯のヨシ群落に限られるため,護岸工事や河川改修により寄洲や中州が無くなった所では急激に個体数が減少し,絶滅した。 |
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分類・形態 | 殻は楕円形,中型(殻高34mm,殻径16mm),厚質。殻表は全面に小顆粒の螺状脈がある。体層は大きく,殻高の5分の4を占める。内唇下部に1歯,軸唇に1歯を持ち,外唇内側は平滑。我が国に分布するオカミミガイ科中では最大の種類であり,成貝では他種との区別は容易である。幼貝の殻形はナラビオカミミガイ幼貝に似るが,ナラビオカミミガイでは殻表が平滑で,小顆粒の螺状脈を欠くことから区別される。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 東京湾,伊勢湾,瀬戸内海,九州 |
分布(国内) | 台湾,揚子江口,海南島。模式産地は中国 |
生活史・生態・生息地 | 汽水域高潮帯のヨシ群落のヨシの根元や泥土の上。冬季はヨシ群落の礫や流木の下,海苔ひび保管場の古竹の下などで生活する。 |
生息環境 |
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執筆者 | (松隈) |