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種の解説

コオナガミズスマシ

学名:Orechtochilus punctipennis Sharp, 1884

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RDB2001概説

分類群 昆虫類
目名 コウチュウ目
科名 ミズスマシ科 Gyrinidae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
生息状況・危機の状況・選定理由
県内では1936年に浮羽郡吉井町を流れる巨瀬川で1頭が採集されただけで,その後60年以上記録がない。近年のダム建設,河川のコンクリート護岸および家庭排水や工場排水による汚染などにより,生息環境は危機的状況にあり,県内では絶滅の可能性がある。
分類・形態
体長5.5~6.2mm。体は長楕円形で,強く膨隆する。背面は褐色を帯びた黒色で,淡黄色の微細毛を密にもつ。腹面は褐色~暗褐色。頭部の前半のしわ状部は,弱くて細かく,小点刻をやや密に装う。触角は短い。小盾板は小さいが,認められる。脚は黄褐色。水上と水中を同時に見られるように複眼が上下に2分されており,4つ目となる。上翅の先端は丸く湾曲し,外縁もほぼ丸まる。雌では,翅端線が,内方でもやや斜めで会合線が少し後方に張り出す。前脚は水面に落ちた餌の昆虫などを捕らえやすように長く発達し,中・後脚は短く,泳ぎやすいように偏平で,オールのようになる。雄の前節はかなり広がる。第8腹板は細長く,上翅からはみ出す。第7~8腹板中央に細毛からなる条線がある。エゾコオナガミズスマシに似ているが,頭部前半のしわがより細かく,弱い小点刻を装い,上翅の点刻が,より密であることで区別できる。
分布情報 MAP
分布(県外)
本州(新潟~岡山),四国(愛媛),九州(佐賀,熊本,鹿児島)。産地は局所的で,いずれの場所でも少ない。
生活史・生態・生息地
平地~山地の清流で緩やかな流れのある水域に生息し,成虫は水面に浮いた動物の死体や小さな昆虫類を捕食する。摂食の方法は,ゲンゴロウ類と同じように強力な顎でかじり取って食べる。幼虫も成虫同様に動物質を食べる。池沼,小川などの水面を旋回するが驚くと水中に潜入する。
生息環境
  • 河川
執筆者 (松井)
補足情報

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