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種の解説

シマゲンゴロウ

学名:Hydaticus bowringi Clark, 1864

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RDB2001概説

画像:体は卵形で背面はよく隆起し、光沢がある昆虫。シマゲンゴロウ。

松井英司

分類群 昆虫類
目名 コウチュウ目
科名 ゲンゴロウ科 Dytiscidae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
生息状況・危機の状況・選定理由

以前は県内各地に普通に見られ,福岡市,添田町英彦山,筑紫野市二日市などの記録がある。1955年に田川市で採集されてから後は,40年以上も記録はなかったが,1999年に彦山川小松堰で採れている。農薬散布・ほ場整備・池沼や湿地の埋立やコンクリート護岸などによって,かつての生息環境は,破壊されており,県内では自然の残った場所でわずかに生息していると思われる。

分類・形態

体長12.5~14mm。体は卵形で背面はよく隆起し,光沢がある。頭部は前半が淡黄褐色で後半は黒色。前胸背板は淡黄褐色で,前縁と後縁の中央が黒色。上翅は黒色で,基部直後の会合線付近に淡黄色の円紋を有し,中央と側縁近くに淡黄色の縦条を帯び後方でつながる。この淡黄色の円紋により他種との区別は容易である。

分布情報 MAP
分布(県外)

北海道,本州(秋田~山口),四国,九州(長崎を除く各県),対馬,種子島,屋久島,トカラ列島の中之島および宝島

分布(国内)

台湾,中国,朝鮮半島など

生活史・生態・生息地

平野部から山間部にかけての水草の多い池沼,水田,休耕田や湿地などの比較的浅い水域に生息し,成虫は5~7月に水草の表面に産卵する。幼虫は2週間ほどで,3齢を経て上陸し,土の上に土繭を作って蛹化する。産地では夏には,灯火によく飛来する。冬季は水中からは得られないことから,落ち葉の下などで越冬しているものと思われる。寿命は1年ほどである。

生息環境
  • 湿原・池
  • 水田・水路
執筆者 (松井)
補足情報

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