1902年に北九州（企救郡）で採集された記録が本県最初の記録である。その後，県内に普通に見られた。しかし，1980年代から公式の記録が急減し，特に福岡市など都市部ではその記録もほとんどなくなった。日本産蝶類県別レッドデータリストでも「危急種」とされている。

前翅長は約29mm。

北海道，本州，四国，九州

ヨーロッパ，中央アジア，シベリア，中国西部

幼虫の食草はスミレ，タチツボスミレなど各種のスミレ科。年1化性で，越冬態は卵内の1齢幼虫またはふ孵化してまだ摂食していない1齢幼虫。九州など温暖な地域では5月下旬から羽化し，夏眠ののち，9月中旬～10月上旬にかけて活動が再開され産卵する。成虫は訪花性が強く，ノアザミなどのアザミ類，タムラソウ，ヒヨドリバナ，ネズミモチなどの花によく集まる。生息地は暖温帯～冷温帯まで広いが，やや寒冷地あるいは山地の草原に多い。