ツマグロキチョウ
学名:Eurema laeta (Boisduval, 1836)Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
生息状況・危機の状況・選定理由 | 1902年に北九州市で採集された記録が本県最初の記録である。1950~70年代は県内全域で普通に見られ,たとえば福岡市内の空き地,河川敷などでしばしば豊産した。しかし,1980年代から明らかに減少しはじめ,90年代には正式の記録が急減した。食草であるカワラケツメイの壊滅的減少と本種の衰亡は連動しているようである。日本産蝶類県別レッドデータリストでも「危急種」とされているし,2000年3月公表の環境庁レッドデータリストでは,一挙に絶滅危惧Ⅱ類としてランク入りし,全国的な衰亡が顕著な種として注目されている。 |
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分類・形態 | キチョウと紛らわしい場合があるが,前翅裏面基部の雄性標は楕円状で桃色であること,後翅裏面の黒条が2本の平行条となること,などにより容易に区別できる。前翅長は約19mm(夏型)~21mm(秋型)。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 本州(宮城県以南),四国,九州および南西諸島。ただし,南西諸島では秋型のみ少数得られており,移動個体と考えられている。 |
分布(国内) | 中国,朝鮮半島,インド・オーストラリア区(ただし熱帯降雨林地域を除く) |
生活史・生態・生息地 | 幼虫の食草はマメ科のカワラケツメイ。成虫は訪花習性が著しく,マメ科,カタバミ科,キク科,スミレ科など多数の訪花植物が報告されている。雄には吸水行動も見られるが,キチョウのように獣糞などへの吸汁は見られない。多化性成虫越冬で,季節的変異(夏・秋型)が著しい。空き地,河原など開けた環境を好む。 |
生息環境 |
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執筆者 | (矢田) |