福岡県レッドデータブック

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種の解説

ヒカゲチョウ

学名:Lethe sicelis (Hewitson)

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RDB2001概説

分類群 昆虫類
目名 チョウ目
科名 タテハチョウ科 Nymphalidae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧Ⅰ類
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
生息状況・危機の状況・選定理由
1890年英彦山で採集されたのが本県最初の記録である。本種は1960年代までは普通種で,平地から低山地にかけてしばしば多産するチョウであった。しかし,その後,記録が急減し,1992年の北九州市足立山での記録を最後に現在はほぼ絶滅状態にある。県内の産地はいずれも,クヌギ,コナラの二次林が中心であったが,これらの生息地は人為による環境改変を受けやすく,これが本種の衰亡の主要因と考えられる。日本産蝶類県別レッドデータリストにおいても「絶滅危惧種」とされている。1997~1999年の調査でも再発見はできなかった。
分類・形態
亜種は知られていない。前翅長は約31mm。クロヒカゲと酷似するが,地色がより淡色であること,後翅裏面の眼状紋列内側の暗色条が外方に向かって強く突出しない。
分布情報 MAP
分布(県外)
本州,四国,九州(日本固有種)
生活史・生態・生息地
幼虫の食草は,タケ科のゴキダケ,メダケ,アズマネザサ,ミヤコザサ,クマザサ,チシマザサ,マダケなど。普通年2回の発生で,福岡の平地では第1化が5~6月,第2化が8~9月である。成虫は好んで樹液を吸汁し,特にクリ,クヌギ,コナラ,ヤナギ,タブノキなどの樹液を好む。また,死体や獣糞,腐果なども吸汁する。訪花習性は弱い。本来はミヤコザサ,チシマザサなどを林床にもつミズナラの原生林に生息したが,アズマネザサなどを林床にもつクヌギ,コナラの二次林が形成されるとともに生息地を拡大したと推測されている。
生息環境
  • 低地森林
  • 山地森林
執筆者 (矢田・福田)
補足情報

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