オオウラギンスジヒョウモン
学名:Argyronome ruslana (Motschulsky)Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
分類群 | 昆虫類 |
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目名 | チョウ目 |
科名 | タテハチョウ科 Nymphalidae |
RDB2001カテゴリー | 絶滅危惧Ⅰ類 |
生息状況・危機の状況・選定理由 | 1893年に採集された記録が本県最初の記録。1930年代には,福岡市,北九州市などで多くの記録があり,その後も1970年代までは局地的ながら県内全域で連続的に記録があった。しかし1980年代からは正式の記録がほとんどない。本種が秋に移動してくる低地は人為による環境改変を受けやすく,生息環境の変化が衰亡の要因の一つと考えられる。本種は山地森林性であり,これがオオウラギンヒョウモンなどより衰亡傾向を弱めている原因の一つと考えられる。日本産蝶類県別レッドデータリストにおいても「絶滅危惧種」とされている。1997~1999年の調査でも再発見はできなかった。 |
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分類・形態 | 本種は亜種に分割されていない。前翅長は約30~35mm。雄翅表の地色は濃橙色,前翅表に黒色の発香鱗条がある。ウラギンスジヒョウモンとよく混同されるが,本種では前翅端の突出がより強く,翅形が横長となり,後翅裏面外半部の雲状部はより暗色となる。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 北海道~九州 |
分布(国内) | ロシア極東地域,中国大陸東北部,朝鮮半島 |
生活史・生態・生息地 | 幼虫の食草は,スミレ科だが,特にタチツボスミレを好みマルバスミレは食べないという。年1化性で,越冬態は卵内の1齢幼虫あるいは孵化した1齢幼虫。九州では6月中旬から羽化する。成虫は訪花性が強く,ノアザミなどのアザミ類,ヤナギラン,マツムシソウ,クガイソウなどの赤紫色の花によく集まる。雄は吸水もする。生息地は,暖温帯~冷温帯まで広いが,寒冷地の方が多い。同属のウラギンスジヒョウモンよりもやや山地を好み,日当たりのよい草原や森林内の空地,河辺林周辺に見られる。 |
生息環境 |
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執筆者 | (矢田) |