スギタニルリシジミ
学名:Celastrina sugitanii (Matsumura, 1919)Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
生息状況・危機の状況・選定理由 | 1963年に矢部村御側(オソバ)(標高350~400 )で1雄が採集されたのが本県最初の記録である。1970年にも添田町障子岳で1雄が採集されたが,以後1998年まで記録がなく,日本産蝶類県別レッドデータリストでは,福岡県の「絶滅種」とされた。しかし,本種の再発見は星野村で1998年1雄の採集にはじまり,翌1999年には御側の近くでかなりの数の個体が採集・確認され,犬ヶ岳でもかなり採集された。 |
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分類・形態 | 日本産は3亜種が認められている。前翅長約14mm。ルリシジミに似るが,雄の翅表の地色藍色部はやや紫色を帯び,後翅表外縁黒褐帯はより幅広い。九州の亜種は他亜種より大型,雄の翅表はより明るく,雌雄とも翅裏面の地色は最も明るく,同時期に混飛する春型のルリシジミと更に酷似するが,後翅裏面1c室の2つの黒斑は結合して「く」の字状をなす傾向が強い。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 北海道,本州,四国,九州。四国,九州では一般に局所的で個体数も多くない。 |
分布(国内) | 中国大陸中部,朝鮮半島,台湾 |
生活史・生態・生息地 | 年1回,九州中・南部の低山地では3月下旬~4月中旬が発生期。幼虫の食樹としてはトチノキ,キハダ,ミズキが知られており,九州ではキハダが一般的な食樹。幼虫は食樹の蕾,花,幼果を主食とする。雄成虫は林縁,伐採地,林道,渓流沿いでよく見かけ,渓流沿いの岩や湿地で吸水することが多く,集団吸水も見られる。雌雄とも,訪花習性がある。生息地は,九州ではキハダ,ミズキを交える暖帯常緑広葉樹林が中心である。地形的には,山地から低山地の渓流,渓谷沿いに産地が多く,九州では標高200~500 ぐらいが多い。 |
生息環境 |
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執筆者 | (矢田・森田・福田) |