ムツゴロウ
学名:Boleophthalmus pectinirostris (Linnaeus)Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
生息状況・危機の状況・選定理由 | 生息域は有明海と八代海のみで,流入河川の感潮域が含まれる。諫早湾奥部も生息域であった。漁獲量は年変動が大きいが,1988年の資源状況は,まだ豊富であった70年代に比べて減少が著しく,近年では漁獲量は最盛時の50分の1と低水準で(佐賀県),県内でも80年代に比べて生息数は更に減少したという。現在,生息状況は安定した観があるが,今後,本種にとって不可欠な干潟域や感潮域の環境悪化が進行すれば,更に減少が危惧される。 |
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分類・形態 | 日本では,近似種にトビハゼがいる。眼はトビハゼのように突出するが,体が相対的に大きく,第1背鰭の鰭条が長く,第2背鰭と臀鰭の条数も多い。両顎の1列の細かい歯,体色の暗緑褐色,体と鰭にあるコバルト色の斑点が特徴である。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 佐賀,熊本の同様水域 |
分布(国内) | 朝鮮半島西岸,中国,台湾,東南アジアに分布するが,産地間によって形態に差異があるという。 |
生活史・生態・生息地 | 成魚は干潟に生息孔を掘ってすみ,干潮時に干潟表面の珪藻などを食べる。活動期は4~11月で,12~3月の間は生息孔にこもる。産卵期は5~7月で,雄は生息孔内に産卵室を作り,求愛行動のジャンプをして雌を誘う。産卵魚の大多数は2,3歳で,卵は受精後約9日で孵化し,浮遊期の仔魚は河川の感潮域で動物プランクトンを食べて成長する。全長14mm程度で腹鰭が親の形態に近づき稚魚期に入る。秋には若魚となって干潟に着底し越冬する。 |
生息環境 |
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執筆者 | (稲田) |