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種の解説

ニッポンバラタナゴ

学名:Rhodeus ocellatus kurumeus Jordan & Thompson

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RDB2001概説

画像:平野部の河川やクリーク、かんがい用水路、池沼などにすむ魚。ニッポンバラタナゴ。

田島正敏

分類群 魚類
目名 コイ目
科名 コイ科 Cyprinidae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅰ類
県内地域カテゴリー 豊・筑・有-絶滅危惧Ⅱ類
生息状況・危機の状況・選定理由

我が国の固有亜種で,全長5前後。模式標本が1900年に「久留米の筑後川」で採れ,これを用いて新種の報告がなされた。このため九州北部の本亜種は分類学上注目され,「久留米の筑後川」は模式産地として重要。1942年に中国からハクレンなどに混じって,別亜種のタイリクバラタナゴが侵入し,1960-70年代以後,全国に分布をひろげた。その結果,両亜種が交雑し,本州の在来亜種はほぼ全滅。大阪府八尾市に純系がわずかに残るのみ。まだ九州北部には,ニッポンバラタナゴがかなりすむが,周辺に外来亜種がいるので交雑が憂慮される。

分類・形態

タイリクバラタナゴは,ニッポンバラタナゴより体高が高く,腹鰭の前縁に白帯を示す。いずれも繁殖期には雌の産卵管が伸び,雄は美しい婚姻色を示し,吻端に白い追星が出る。交雑個体の確認は,形態のみでは難しく,アイソザイムやDNA解析を要する。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州では過去に琵琶湖・淀川以西,岡山まで。ほかに香川,佐賀,熊本,大分西部など。九州と関西の場合は不連続分布である。

生活史・生態・生息地

平野部の河川やクリーク,かんがい用水路,池沼などにすむ。砂泥底や泥底を好み雑食性。産卵期は4~9月。雌がドブガイやイシガイなどの出水管に産卵管を入れて,貝の鰓に卵を産みつけ,雄が吸水管の近くで放精する。稚魚は全長7.5mmぐらいで貝から出て,早いものは年内に成熟する。

生息環境
  • 河川
  • 湿原・池
  • 水田・水路
執筆者 (木村)
補足情報

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