ニッポンバラタナゴ
学名:Rhodeus ocellatus kurumeus Jordan & ThompsonMyしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
生息状況・危機の状況・選定理由 | 我が国の固有亜種で,全長5 前後。模式標本が1900年に「久留米の筑後川」で採れ,これを用いて新種の報告がなされた。このため九州北部の本亜種は分類学上注目され,「久留米の筑後川」は模式産地として重要。1942年に中国からハクレンなどに混じって,別亜種のタイリクバラタナゴが侵入し,1960-70年代以後,全国に分布をひろげた。その結果,両亜種が交雑し,本州の在来亜種はほぼ全滅。大阪府八尾市に純系がわずかに残るのみ。まだ九州北部には,ニッポンバラタナゴがかなりすむが,周辺に外来亜種がいるので交雑が憂慮される。 |
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分類・形態 | タイリクバラタナゴは,ニッポンバラタナゴより体高が高く,腹鰭の前縁に白帯を示す。いずれも繁殖期には雌の産卵管が伸び,雄は美しい婚姻色を示し,吻端に白い追星が出る。交雑個体の確認は,形態のみでは難しく,アイソザイムやDNA解析を要する。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 本州では過去に琵琶湖・淀川以西,岡山まで。ほかに香川,佐賀,熊本,大分西部など。九州と関西の場合は不連続分布である。 |
生活史・生態・生息地 | 平野部の河川やクリーク,かんがい用水路,池沼などにすむ。砂泥底や泥底を好み雑食性。産卵期は4~9月。雌がドブガイやイシガイなどの出水管に産卵管を入れて,貝の鰓に卵を産みつけ,雄が吸水管の近くで放精する。稚魚は全長7.5mmぐらいで貝から出て,早いものは年内に成熟する。 |
生息環境 |
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執筆者 | (木村) |