福岡県レッドデータブック

文字サイズ
画像:文字サイズ小
画像:文字サイズ中
画像:文字サイズ大
検索

種の解説

セボシタビラ

学名:Acheilognathus tabira subsp. 2

しおりを挿む

Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。

RDB2001概説

画像:比較的流れの速い川底に石や杭などのある所を好む魚。セボシタビラ。

田島正敏

分類群 魚類
目名 コイ目
科名 コイ科 Cyprinidae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
県内地域カテゴリー 豊-分布しない,筑・有-絶滅危惧ⅠA類
  • 画像:比較的流れの速い川底に石や杭などのある所を好む魚。セボシタビラ。
  • 画像:小河川や農業用水路などの細流を好むが,産卵場所と生息場所がやや異なり,産卵期の春季に静水域から流水的な水路へと移動する。イシガイ科二枚貝類(主にカタハガイ)に卵を産みつける。1年で成熟し,最大で9cm程度になる。コイ科。セボシタビラ。
生息状況・危機の状況・選定理由

玄界灘に流入する河川では本亜種はほぼ絶滅状態で,最近の調査でも多々良川以外発見されていない。筑後川,矢部川についても減少傾向が現れ,かつて本亜種が多く生息していた田主丸町付近の水路や,柳川市,三橋町付近のクリークなどでは,河川改修や水質悪化のため激減している。

分類・形態

タビラの仲間は分布や婚姻色,卵の形状などから3亜種に分類されている。ほかの2亜種との相違点は,背鰭の黒色斑が本亜種の稚魚や幼魚にだけ存在することや,完熟卵が楕円形であることなどである。

分布情報 MAP
分布(県外)

北部九州に生息する。長崎県壱岐からも報告がある。南限は熊本の緑川水系。九州固有種。

生活史・生態・生息地

産卵は2月下旬ごろから始まり夏場まで続き,マツカサガイ,ドブガイなどの二枚貝に1度に1~3個の卵を産み付ける。卵は長楕円球形で長径2.5~2.8㎜,短径1.2~1.3㎜。孵化仔魚は全長3.3㎜~8㎜で貝から出る。ほとんどが満1年で成熟し,全長9cm程度になる。成魚は比較的流れの速い,川底に石や杭などのある所を好む。稚魚や未成魚はどちらかというと静水域に集合し,産卵活動や成長に伴う水域内での移動が想定される。  筑後川,矢部川流域の生息地はオオカナダモなどの水草の繁茂する比較的水のきれいな小河川や水路であり,ヤリタナゴ,アブラボテ,バラタナゴ,カゼトゲタナゴ,カネヒラなどのタナゴ類と共生する。

法令などの指定状況

県指定希少野生動植物種

生息環境
  • 水田・水路
  • 河川
執筆者 (橋本)
補足情報

2014版データを見る

Copyright © Fukuoka Prefecture All right reserved.