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種の解説

ニホンヒキガエル

学名:Bufo japonicus japonicus Temminck & Schlegel, 1838

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RDB2001概説

分類群 両生類
目名 カエル目(無尾目)
科名 ヒキガエル科 Bufonidae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
生息状況・危機の状況・選定理由
以前は人家の庭でも見られるくらい普通にいたが,現在ではまれにしか見かけない。生活場所・産卵場所の環境条件に何らかの原因があると思われ,減少傾向はこのまま続く可能性が高い。
分類・形態
日本土着の種としては最大のカエルで,頭胴長8~16cm。ずんぐりした体形で,背面に多数の丸い小隆起があり,鼓膜上縁に沿った大きな分泌腺(耳腺)をもつ。色彩には変異が多く,黄褐色,赤褐色,黒褐色など。腹面は汚白色で不規則な小黒斑。後肢は比較的短く,ジャンプ力は弱い。
分布情報 MAP
分布(県外)
近畿南部からほぼ北緯35度以南の中国地方,四国,九州。壱岐,五島列島,天草,大隅諸島にも分布。亜種アズマヒキガエルは本州北部に分布。
生活史・生態・生息地
林の中で小動物を食べながら生活し,冬は地下で冬眠する。春に冬眠から覚めて池などの産卵場所へ移動し,10000個程度の卵を2本の長い紐状のゼリーに包んで産み付ける。産卵期は比較的短く,1つの産卵場所に多数の個体が集まって雄が雌を争奪する,いわゆる「カエル合戦」が繰り広げられるが,本県ではこのように多数集まる例はほとんどないようである。水田や溝,山間部では谷のよどみに産卵することもある。山地では産卵期が遅れ,5月に産むこともある。鳴嚢がないため鳴き声は比較的弱く,「クックックッ・・・」と聞こえる。幼生は全身黒色で,遊泳速度は遅く,一般に群れをなす。幼生の全長は35mm程度。変態時の個体は著しく小さい(約10mm)。皮膚に有毒な物質(ブフォトキシンなど)が含まれているため,鳥などに捕食されることは少ないが,ヤマカガシのように耐性をもつ動物もいる。
生息環境
  • 低地森林
  • 湿原・池
  • 水田・水路
執筆者 (倉本)
補足情報

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