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種の解説

トノサマガエル

学名:Rana nigromaculata Hallowell, 1861 "1860"

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RDB2001概説

画像:比較的大型のカエル。トノサマガエル。

倉本 満

分類群 両生類
目名 カエル目(無尾目)
科名 アカガエル科 Ranidae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
生息状況・危機の状況・選定理由

かつては県内で最もなじみのあるカエルであったが,現在の生息地は山間部の水田域や池,湿地にほぼ限定され,カエルの中では最も顕著な減少傾向を示している。山間部でも個体数は決して多くなく,このように孤立した小さな個体群は絶滅しやすい。平野部での本種の消滅は全国的な傾向である。

分類・形態

比較的大型で,頭胴長は雄で5~7cm,雌で6~9cm。顕著な雌雄二型を示し,雄の背面はほぼ一様に黄褐色,雌はクリーム色の背中線と背側隆条を除いて暗褐色。腹面は白色。鼓膜は眼と同大,後肢のみずかきはよく発達する。雄は左右の口角部に1対の鳴嚢をもち,この点は近縁のダルマガエルと類似している。幼体は緑色を呈することが多い。

分布情報 MAP
分布(県外)

関東平野から仙台平野にわたる地域を除く本州,四国,九州で,天草,種子島にも見られる。

分布(国内)

朝鮮半島,中国,ロシア沿海州

生活史・生態・生息地

水田とその周辺がおもな生息場所で,水辺を離れることはほとんどない。産卵期はほぼ田植の時期に合致し,地域によって大きく異なる。福岡県では田植の時期が遅いため,5月~6月に産卵し,7月に鳴き声が聞かれることもある。繁殖期には水が張られた水田に集まり,雄は水面に浮いて「グァ・グァ・グァ・・」と断続的な短い鳴き声を発する。雄は自分の周囲1~2程度のなわばりをもち,ほかの雄の侵入を防ぐ。卵数は2000個前後で,一腹の卵が大きな卵塊をなす。卵径は約2mmで黒色色素に富む。1週間程度で孵化し,幼生は水底で餌をあさりながら6cmほどに発育する。夏の終わりころには変態し,水辺や周辺の草地で生活する。成体の餌はミミズ類,各種の昆虫・クモ類,小型のカエル類など。冬は地下に潜って冬眠し,2年目に成熟する。

生息環境
  • 水田・水路
  • 湿原・池
執筆者 (倉本)
補足情報

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