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種の解説

シノリガモ

学名:Histrionicus histrionicus pacificus Brooks, 1915

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RDB2001概説

分類群 鳥類
目名 カモ目
科名 カモ科 Anatidae
RDB2001カテゴリー 準絶滅危惧
環境省カテゴリー 絶滅のおそれのある地域個体群
生息状況・危機の状況・選定理由
県内では毎年20羽程度が冬鳥として渡来し,福岡市の志賀島から海の中道にかけての玄界灘に生息する。これは恒常的越冬地として,同様に越冬するクロガモ,ビロードキンクロとともに,我が国における最南端のものといえる。特にシノリガモにあっては,東アジアの個体群としても最南端といえよう。従来,志賀島の二見岩沖を中心に越冬してきたが,最近は海の中道のシオヤ瀬を主体に付近の定置網周辺などでも見られ,分散傾向にある。年による個体数はあまり変わらず,安定しているといえる。まれに渡りの時期にほかの地域でも観察され,福岡市今津,新宮町相島などで記録がある。
分類・形態
全長43cm。潜水性のカモで,雄は全身紫黒色に複雑な白斑を持つ。桐原ら(2000)参照。
分布情報 MAP
分布(県外)
主に関東地方以北に冬鳥として普通に渡来する。1976年青森県の赤石川上流で国内初の繁殖が確認された。その後,岩手県,宮城県でも繁殖が確認され,北海道でも十勝地方,知床などで繁殖していると考えられている。いずれも山間の渓流である。
分布(国内)
シベリア東部から北米大陸西部を主な繁殖地とし,冬は若干南下して越冬し,少数は繁殖地付近で越冬する。
生活史・生態・生息地
県内では10月末に渡来し始め,4月末頃まで観察されるが,夏季の観察例もある(例えば1999年6,7月,海の中道1羽)。活発に海に潜り,貝類,甲殻類,魚類を食べるといい,繁殖地では主に水生昆虫を食べるという。本来,外海に面した波の荒い海岸を好むカモであるが,県内では定置網周辺で観察することが多く,網やロープなどへの付着生物への依存をうかがわせている。
生息環境
  • 海岸
執筆者 (山根)
補足情報

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