カンムリウミスズメ
学名:Synthliboramphus wumizusume (Temminck, 1835)Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
生息状況・危機の状況・選定理由 | 日本近海のみに生息し,その総個体数は5000~6000羽と推定される(小野 1998)。県内では沖ノ島属島の小屋島で,1970年代に282羽~408羽の成鳥数が推定された。しかし1987年に,ドブネズミの侵入・捕食があり,死亡成鳥数は414羽と推定された(武石1987)。ネズミ駆除後,1989年には4巣7卵が発見され,少数ながら繁殖が確認された。その後,数はほとんどふえておらず,10つがいを越えていないのではないかと考えられる。沖ノ島ではクマネズミとドブネズミが生息しており,沖ノ島港の改修時の台船の接岸や釣り客の上陸など,再びネズミ類が侵入する危険が常にある。繁殖数が少ない段階でのネズミ類の侵入は,繁殖個体群を絶滅させる可能性が高い。志摩町烏帽子島では1991年に初めて本種の繁殖が確認され,約30つがいが繁殖するものと推定されている(永田 1991)。 |
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分類・形態 | 全長24cm。背面全体黒灰色で,成鳥夏羽は頭部に冠羽がある。桐原ら(2000)参照。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 宮崎県枇榔島,伊豆諸島のいくつかの島,三重県耳穴島などで繁殖する。繁殖後はエトロフ島から沖縄までの日本周辺の洋上で生活する。 |
分布(国内) | 朝鮮南部の離礁や離島でも繁殖する。 |
生活史・生態・生息地 | 小屋島では,ヒゲスゲの密生した草地の中で,ヒゲスゲの葉が覆いかぶさった根元付近や,岩のすき間で3月から5月に繁殖する。1巣当たり2卵を産み,孵化後の雛は1~2日で巣立ちする。烏帽子島では,灯台に登る道沿いに作られた石垣のすき間で繁殖する。 |
法令などの指定状況 | 文化財保護法(種指定の天然記念物) |
生息環境 |
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執筆者 | (武石) |