ヒメクロウミツバメ
学名:Oceanodroma monorhis (Swinhoe, 1867)Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
生息状況・危機の状況・選定理由 | 繁殖地は日本とその周辺に限られ,日本では現在,京都府冠島属島の沓島と福岡県沖ノ島属島の小屋島で繁殖が確認されている。繁殖可能性のある岩手県三貫島を加えても,その繁殖つがい数は数百つがいと考えられる(佐藤1998)。小屋島では,1974年に391羽の成鳥が推定されたが(環境庁 1975),1987年にドブネズミの侵入・捕食により,成鳥304羽が死亡したと推定された。これは小屋島の繁殖個体群をほぼ壊滅させるものであった(武石1987)。ネズミはその後駆除され,個体数は徐々に回復に向かい,1997年8月の調査時には,77羽の成鳥を捕獲し放鳥した。しかし,沖ノ島ではクマネズミとドブネズミが生息しており,沖ノ島港の改修時の台船の接岸や釣り客の上陸などが見られることから,再びネズミ類が侵入する危険が常にある。繁殖数が少ない段階でのネズミ類の侵入は,同島の個体群を絶滅させる可能性が高い。 |
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分類・形態 | 全長19~20cm。成鳥は全身黒褐色で尾は浅い燕尾。桐原ら(2000)参照。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 沓島で繁殖する。三貫島,青森県尻矢崎,島根県隠岐で繁殖記録がある。 |
分布(国内) | ロシアのウラジオストック沖ノ島で約7500つがいが繁殖する。インド洋北部で越冬する。 |
生活史・生態・生息地 | 小屋島では,ヒゲスゲの密生した草地の中の岩のすき間で繁殖する。7月中旬~8月下旬には,抱卵・抱雛交替や給餌などのため夜間に成鳥が島に出入りする。 |
法令などの指定状況 | 文化財保護法(地域指定の天然記念物) |
生息環境 |
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執筆者 | (武石) |