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種の解説

キシツツジ

学名:Rhododendron ripens Makino

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RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 ツツジ科 Ericaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
生息状況・危機の状況・選定理由

大平村に唯一の自生地がある。生育環境は川岸の岩上で,現存するのは13株である。従来,本県には未記録で,近年になって自生地が発見された。災害防止のために川岸がコンクリート護岸化されると,本種は消滅することになるので,配慮が求められる。園芸用採取の懸念もあるので,産地情報の秘匿も必要。日本固有種。

分類・形態

高さ0.5~1の半常緑低木。花は淡紅紫色で,やや大きい。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州(岡山以西),四国,九州(大分)

生息環境
  • 河川
執筆者 (筒井)
補足情報

高さ0.5~1の半常緑低木。若枝には斜上する長毛がはえ,腺毛を混じえる。葉柄は長さ2~3mm,淡褐色の斜上する軟毛が密生する。春葉と夏葉の別がある。春葉は長楕円形,長さ3~5cm,幅0.8~2cm,先は短くとがり,基部は鋭形,両面に剛毛がやや密に生える。夏葉は狭長楕円形または倒披針形,長さ1.4~4cm,幅4~8mm,両面に剛毛が生え,特に裏面脈上に多い。4~5月,枝先の1個の花芽から新葉とともに1~3個の花を開く。花芽の鱗片は背面や縁に多くの短い腺毛がある。花柄は長さ1~1.5cm,やや密に長毛があり,腺毛がまばらに混じる。萼片は5枚,披針形で先がとがり,長さ12~18mm,背面や縁に腺毛が散生する。花冠は淡紅紫色,広漏斗形で径4~5cm,5中裂し,裂片は広卵形または広楕円形。雄蕊は(7~)10本,花糸の下半部に点状の軟毛がある。子房は淡褐色の長毛が密生する。花柱は長さ4~5cmで無毛。蒴果は狭卵形,長さ8~10mm,褐色の長毛が生える。中国地方(岡山県・島根県以西)・四国・九州(大分県)の川岸の岩上に生える。モチツツジに近縁で,生育環境は異なるが,分布は置き換わる。園芸品として若鷺がよく栽培される。

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