ヤハズエンドウ

名前 学名
 ヤハズエンドウ(矢筈豌豆) Vicia sativa L. subsp. nigra (L.) Ehrh.
 
分類
 マメ科
 
生態
 日当たりのよい草地、道端、荒地などに普通に生える一年草。茎は長く伸びてつる状になり、長さ1mに達します。葉は8~16枚の小葉からなる羽状複葉で、茎に互生し、先端は巻きひげになります。小葉の先端が矢筈(やはず;弓矢の弦を受ける部分)状にくぼむことから名づけられています。葉の基部には花外密線があり、アリを呼び込むことによって外敵から身を守ります。秋に芽生えて越冬し、3~5月に花が咲きます。花は長さ12~18mm、紫紅色で、葉の付け根に1~数個ずつつきます。果実(豆果)は長さ3~5cm、熟すと黒色になります(別名カラスノエンドウの名の由来)。熟した果実は、乾くと莢(さや)が2つに裂け、それぞれらせん状にねじれることによって種子を飛ばします。
 
その他
 ヤハズエンドウの莢や若芽は、食べられる野草として知られています。莢はエンドウに似ていて、いかにもおいしそうなのですが、野草の天ぷらとしてはあまり人気がありません。私たちが摘み取りがちな膨らんだ莢は、すでに硬くなっていて食べにくいからです。まだ膨らんでいない扁平な若い莢を摘むことがおいしく味わうためのコツです。
ヤハズエンドウの花
道端に咲いている花(太宰府市)