コナラ

名前 学名
 コナラ(小楢) Quercus serrata Murray
 
分類
 ブナ科
 
生態
 低地から山地まで広く分布する落葉高木で、二次林(里山林)を構成する代表的な落葉樹です。葉は互生し、長さ5~15cm、倒卵形ですが,幅広いものから細いものまで個体差があり、変化に富んでいます。花は4月頃に咲き、葉の展開と同時に開花します。雄花(雄花序)は新枝の下部から多数垂れ下がり、雌花は上部の枝に数個つきます。果実は堅果(どんぐり)で、その年の秋に熟します。萌芽再生能力が高いため、かつて薪炭材として盛んに利用されてきました。二次林内に株立ち個体が多いのは、伐採後の萌芽により更新したためです。また、落葉は肥料としても用いられました。今日ではシイタケの原木として利用されています。
 
その他
 国木田独歩は名作「武蔵野」(1898年)において、春の萌え出ずる新緑から冬の落葉まで、四季を通じて様々な光景を呈する落葉林(武蔵野の雑木林)の美を物語っています。「元来日本人はこれまで楢(なら)の類いの落葉林の美をあまり知らなかったようである」とも記しています。福岡県においても同様で、コナラ二次林の紅葉の風景はしっとりと美しく、私たちの心に安らぎや郷愁を与えてくれます。
  • コナラの若葉

    コナラの若葉(大野城市)

  • コナラの果実

    コナラの果実(どんぐり)(太宰府市)

  • コナラの紅葉

    萌芽の紅葉(大野城市)

秋のコナラ林
コナラが優占する晩秋の里山林(太宰府市)
春の武蔵野の雑木林
コナラなどの落葉樹で構成される武蔵野の雑木林の春(埼玉県新座市)