ハイゴケ

名前 学名
 ハイゴケ(這苔) Hypnum plumaeforme Wilson
          (Calohypnum plumiforme (Wilson) Jan Kučera & Ignatov) 
 
分類
 コケ類・ハイゴケ科
 
生態
 日当たりのよい地上や岩上、樹木の根元などに生育するコケ植物。荒れ地や芝生の中にも普通に見られ、黄緑色の大きな群落をつくります。ほふく性(地面を這(は)うように茎を伸ばす)の蘚類で、茎は長さ10cmまたはそれ以上になり、水平~斜上する枝を規則的に羽状に出します。葉は乾燥すると先端が強く鎌状に曲がり、枝も上向きに巻きます。雌雄異株で、胞子体はあまり見かけません。植物体の断片から比較的簡単に増殖し、かつては福岡県保健環境研究所の中庭の芝生に群生していました。栽培も容易であるため、苔庭、盆栽、苔玉などに使用されています。
 
その他
 ハイゴケの属名の Hypnum は、ギリシャ語の「眠り」に由来します。ヨーロッパでは、ハイゴケを詰め物にした枕を使うとよく眠れると言われていたそうです。また、どんぐりなどの木の実を使った工作をする際に、草地や木々の葉のミニチュアとして利用できます。ただし、色の退色が比較的早く、数か月で薄茶色になってしまうのが少し難点ですが。
乾いたハイゴケ
乾いた状態のハイゴケ(太宰府市)
湿ったハイゴケ
湿った状態のハイゴケ(太宰府市)