植物標本の作り方
植物のかわいらしい花、紅葉した葉、面白い形の葉などを見たら、それを押し花にして残してみたくなりませんか?ここでは、押し花(=植物標本)の作り方のコツを伝授いたします。
植物標本づくりで一番大切なこと
植物標本づくりのコツは、ずばり、採ったら早めに、しっかり押して、しっかり乾燥させることです!筆者は学生時代に実習で植物標本を作りましたが、乾燥不足で標本の一部をカビさせてしまいました。授業の点数が下がったのは言うまでもありません…。
また、標本を学術的な記録として残しておきたい場合には、採取日・採取場所・採取者を記録することも忘れてはいけません。
植物標本の作り方 ~家に持ち帰って作る方法~
- 採集
標本にしたいものを見つけたら、剪定ばさみを使って丁寧に切り取り、袋に保存します。
押し花など思い出として保存する場合は、自分の気に入った部位を採集すればよいのですが、調査記録として標本にする場合は、草本やシダ類の場合はなるべく根元から、木本の場合は葉の付き方がわかるよう枝ごと採集するのが鉄則です。
袋はコンビニやスーパーマーケットなどで使われている手提げ袋でも良いですが、破れやすいものもあるので、チャック付き袋や厚手のポリ袋もおススメです。しおれないよう、しっかり口を結んで運びましょう。
- 記録
調査記録として標本にする場合は、採集した場所(市町村名・字名など)、環境(針葉樹林、草地、庭など)、年月日、採集者名を記録しましょう。多くの種類を同時に採集する場合は、チャック付き袋などに個包装し、油性ペンで袋に直接記録を書いておくと記録ミスが減らせます。
- 乾燥させる
新聞紙を半分に切り、それを半分に折ったものをたくさん用意しておきます。
折った新聞紙の間に、採集してきた植物の形を整えて並べます。なるべく葉が折れたり重なったりしないようにすると、仕上がりが美しくなります。
何も挟んでいない新聞紙4-5枚、植物を挟んだ新聞紙、何も挟んでいない新聞紙4-5枚、植物を挟んだ新聞紙・・・と繰り返し重ね合わせます。その上下をベニヤ板で挟み、上から漬物石などなるべく重いもので押します。作った翌日から3日程度は毎日、それ以降は1日おきに1週間から10日間ほど、何も挟んでいない新聞紙を乾いた新聞紙と交換します。
湿った新聞紙はしっかり乾燥させておきます。
植物標本の作り方 ~現地で作る方法~
- 野冊を用意する
A3サイズのベニヤ板またはワイヤーネット(ワイヤーラティス)を2枚、面ファスナー付きのゴムバンドを2本、新聞紙を用意します。
2. 現地で植物を挟む
現地で採集したいものを見つけたら、~家に持ち帰って作る方法~と同じように丁寧に採集し、その場で野冊の新聞紙に挟みます。ポリ袋で持ちかえると、花がしぼんでしまったり、葉にしわが寄ったりして、形状が崩れてしまうことがあります。野冊はそんな弱点を補ってくれる優れものです。
- 乾燥させる
乾燥させる手順は、前述の~家に持ち帰って作る方法~と一緒です。
植物標本の楽しみ方
- 観察日記:ノートにテープで貼ったり、台紙と一緒にクリアファイルに挟んだりすれば、立派な観察日記になります!
- しおりづくり:押し葉や押し花をラミネートにして、穴あけパンチで穴をあけてリボンを通せば、思い出たっぷりのしおりの完成!
- インテリア雑貨づくり:写真立てに入れたり、ハーバリウムやボタニカルキャンドルを作ってみたり、レジンで閉じ込めて雑貨を作ってみたり、可能性は無限大です!