昆虫採集のコツ ~ビーティング~

 動きまわる昆虫を観察する上で、捕獲はとても大事な一歩。捕獲なしでは、体のつくりを観察したり、種類を調べたり、行動を観察したりできない昆虫も少なくありません。ここでは、昆虫採集の1つの手法であるビーティングを紹介します。

ビーティングとは

 ビーティングの語源は英語のBeating、つまり打つこと、たたくことです。木の枝葉や草は、それを食べる草食性の昆虫類や、隠れて休んでいる昆虫類、それらを捕らえようと待ち構える生きものなど、多くの生きものの住み家になっています。ビーティングは、枝葉を棒でたたいて揺らし、枝葉に付いている昆虫類を落として平らな網で受け止めて捕獲する技です。枝葉をパッと見ただけでは生きものがいないように見えても、ビーティングを用いればあら不思議、意外と多くの生きものでにぎわっていますよ!

ビーティングの方法

用意するもの

  • 棒:枝葉をたたくもの。現地調達でOK
  • 受け網:落ちてきた虫を受け止めるもの。以下のいずれかがおススメ
    ・ビーティングネット:専用のものが販売されていますが、少々高価です
    ・子ども用の骨が丈夫な傘をひっくり返して使う
  • 白色バット:受け網に落ちたものを入れて、枝葉と虫を選別するのに便利です
  • ピンセット:バットの中の枝葉と虫を選別するのに便利です
  • 虫かごやプラスチックカップなどの入れ物:捕獲した昆虫類を入れる

方法

① 高さ1~2mの枝葉を選び、下に受け網を構え、棒で枝葉をたたきます。思い切りたたく必要はありません。
② 受け網に集まったものを白色バットなどに移し、枝や葉をピンセット等で取り除きます。

  • ビーティング専用ネット

  • ビーティングを行っているところ

  • ビーティングで捕れる昆虫類の例