リアルタイム生物季節2022

サクラ

 3月18日、福岡管区気象台からサクラ(ソメイヨシノ)の開花が発表されました。昨年から1日遅く、平年より4日早い開花だそうです。

 福岡県保健環境研究所では、昨年と同じ3月17日に開花を確認しましたが、昨年開花を確認した木とは別の個体でした。昨年の木は、おそらく今日~明日に開花すると思われます。

 思えば、リアルタイム生物季節の初投稿が約1年前のサクラの開花でした。このコーナーをはじめてから、執筆者自身もいつも以上に様々な季節の移り変わりに目を向けるようになりました。来年度以降も皆さんに定期的に福岡の四季をお伝えしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

【2023年3月20日】

アメンボとシマヘビ

 ここ数日、最高気温が20℃近くになる日が続いており、春らしい気候になってきました。

 3月6日から、二十四節気の啓蟄(けいちつ)、土の中で冬ごもりしていた虫たちが目覚め動き出すころに入っています。3月10日には、福岡県保健環境研究所内の屋外飼育水槽にどこからかコセアカアメンボが飛来しており、3月12日には筑紫野市内の公園にシマヘビが出没していました。冬眠から目覚めた動物たちが、暖かい陽気につられて、今まさに活動しはじめています。

 そろそろ、桜(ソメイヨシノ)のつぼみも硬さが和らいでくるころでしょうか。

【2023年3月13日】

ウメ

 福岡県保健環境研究所では、県花であるウメの花が最盛期を迎えています。ほのかに漂うその香りで、花の開花に気付いた方もおられることでしょう。ウメが咲いたのを見ると、春の訪れを感じますね。

 ウメには、一重咲きや八重咲、白色や桃色、紅色など様々な品種があり、品種によって咲き始めの時期は異なりますが、この時期になると多くの品種の開花が重なってきます。みなさんも、一足早い春の訪れを感じてみてはいかがでしょう。

【2023年2月20日】

ニホンアカガエル

 明日から大寒波が到来する予報になっていますが、自然界では、季節が春に向かって少しずつ進んでいる様子が見られはじめました。

 写真は県レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に選ばれているニホンアカガエルの卵塊で、1月18日に福津市内のため池で確認されたものです。産卵を終えた親は、暖かくなる5月頃まで再び休眠して、寒い季節をやり過ごします。

【2023年1月23日】

春の七草

 あけましておめでとうございます。今日1月6日は二十四節気の小寒(しょうかん)、寒さが厳しくなってくるころです。

 そして、今日から七十二候の芹乃栄(せりさかう)に入りました。セリといえば春の七草の一つですね。明日1月7日は五節句の一つの人日(じんじつ)の節句で、私たちは昔からこの日に七草が入ったお粥(かゆ)を食べ、一年の邪気を払い、無病息災を願ってきました。七草のうち、カブとダイコンは畑で栽培されている野菜ですが、残りの5種類は田畑や水路脇、道端などの身近な場所に生えている野草です。みなさんも、この一年の健康を願って七草粥を味わってみてはいかがでしょうか。

【2023年1月6日】

落葉

 11月27日から七十二候の朔風葉払(さくふう*葉を払う(*北風のこと))に入っています。

 平野部でも、イロハモミジやイチョウなどの紅葉が盛りを過ぎ、はらはらと散って地面が色鮮やかに彩られはじめています。夏には緑一色だった周りの木々が、赤や黄色、オレンジ色などの様々な色に染まることで、改めて種類の違いなどに気付くこともあるでしょう。


 今日の雨を契機にグッと冷え込む予報になっています。さらに落葉が進むと思われますので、皆さんも色とりどりの落ち葉の絨毯を楽しんでみてください。

【2022年11月29日】

紅葉

 昼夜の寒暖差が大きくなってきましたね。今日は七十二候の楓蔦黄(もみじつた黄ばむ)で、草木が黄色や紅色に染まる様子を表しています。県内の平野部でも、イロハモミジやドウダンツツジ、ソメイヨシノなどを中心に少しずつ紅葉が始まってきました。平野部の紅葉の見ごろは例年11月下旬頃です。忙しい日々の中でも、自然に目を向けて秋の深まりを感じてみませんか。

 なお、紅葉がおきる仕組みについて「生きもの雑学コーナー」で解説していますので、そちらもぜひご覧ください。

【2022年11月2日】

ホシササキリ

 10月18日は七十二候の蟋蟀在戸(きりぎりす戸にあり)です。秋が深まり気温が低くなってくるこの季節、これまで野を賑わせていた秋の虫たちが少しずつ静かになり、人の住まいの暖かさに魅かれて戸口に近づく様子を表しています。

 ちなみに、七十二候の“きりぎりす”がキリギリスなのかコオロギなのかは諸説あるようですが、今回はシリリリ…とか細い声で鳴くキリギリスの仲間、ホシササキリの写真を撮ってみました。

【2022年10月18日】

キンモクセイ

 9月26日、福岡県保健環境研究所でキンモクセイの甘い香りが漂い始めました。オレンジ色の小さな花を咲かせるキンモクセイですが、その花は全て雄花で果実をつけることはありません。中国原産のキンモクセイは雌雄異株で、たくさんの花をつける雄株のみが江戸時代に渡来したからです。キンモクセイの花はこれからが最盛期です。秋を告げる香りをぜひご堪能ください。

【2022年9月30日】

ヒガンバナ

 9月8日、大野城市牛頸地域にて、秋の風物詩とも言えるヒガンバナの開花を確認しました。福岡県保健環境研究所の周辺では、おそらく今シーズンの初開花日です。ちなみに、昨年は同じ場所で9月4日に開花を確認しています。

 二十四節気では今日が白露(はくろ)。夜の気温が下がってきて露が宿り始めるころとされ、まさにここ数日で気候が秋に移り変わってきたのを感じます。身近な自然に目を向けて、ぜひ秋の気配を感じ取ってみてください。

【2022年9月8日】

エンマコオロギ

 8月7日は立秋(りっしゅう)です。暑さ厳しい今日この頃ですが、暦上は秋の気配がはじめて見える頃とされています。

 8月16日には、福岡県保健環境研究所内でエンマコオロギの「コロコロリン」という初鳴きを確認しました。秋の虫たちの声が聞こえてくると、夏も折り返し地点を過ぎたかな、と感じますね。とはいえ、まだまだ暑い日が続くようですから、熱中症には十分お気をつけください。

【2022年8月18日】

キキョウ

 福岡県保健環境研究所で栽培しているキキョウの花が最盛期を迎えています。今年は7月11日に初めて開花しました。

 キキョウは里山林の林縁や農地周辺の草地などに生育します。秋の七草の一つとして古くから親しまれ、かつては身近な植物でしたが、里山環境の変化によって、今では福岡県レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に選定されるほど生育地が減ってしまいました。当研究所で栽培しているキキョウは、大野城市の生育地から採取した種子由来の個体を生息域外保全として栽培し、系統保存を行っているものです。

【2022年7月28日】

ニイニイゼミ

 6月22日、福岡県保健環境研究所でニイニイゼミの初鳴きを確認しました。以降、7月2日にクマゼミ、7月3日にアブラゼミの初鳴きが続々と確認され、セミたちの大合唱が本格化しはじめています。

【2022年7月6日】

 5月下旬、ゲンジホタルの乱舞が見られる季節になってきました。ゲンジボタルは、きれいな水が1年を通して流れており、餌であるカワニナが生息する植物豊かな環境を好みます。県内各地にゲンジボタルのスポットがありますので、風がない蒸し暑い日の日没後、ホタル鑑賞に出かけてみてはいかがでしょうか。

【2022年5月27日】

青空

 今日5月5日は端午の節句。二十四節気では立夏(りっか)のはじまりで、次第に夏めいてくる季節とされています。ここ数日は暑いくらいの快晴で、立夏らしい気候でした。

【2022年5月5日】

アカハライモリ

 4月27日、太宰府市内の水たまりで婚姻色の出たアカハライモリを見つけました。イモリと言えば黒い体に赤いお腹というイメージですが、繁殖期の雄は尾を中心に紫がかった青白い色が入ります。産卵シーズンの本格的な開始です。

【2022年4月27日】

 今日4月20日は、二十四節気の穀雨(こくう)です。県内全域で晴れの一日ですが、たくさんの穀物をうるおす春の恵みの雨が降る頃、とされています。来週から雨が続く予報となっていますので、この雨によって草木がさらに元気に育つことでしょう。

【2022年4月20日】

 4月5日、今シーズンで初めて、福岡県保健環境研究所でニホンアマガエルの鳴き声を確認しました。3月16日には初めて姿を確認しています。研究所からほど近いビオトープでは、シュレーゲルアオガエルの声が盛んに聞こえていました。

【2022年4月5日】

サクラ

 3月17日、福岡管区気象台で桜の開花が確認されました。気象台から約14km離れた福岡県保健環境研究所でも、同じ日に1輪目の桜が開花しました。(写真は昨年のものです)

【2022年3月17日】