現在，本種は県内の周防灘と有明海の汽水域に広く生息するが，玄界灘の既産地（福岡市，古賀市，福津市）では近年確認できておらず，糸島市に生息するのみである。本種は塩性湿地と干潟との境界部に形成される砂泥底や泥底に生息するが，このような環境は河川改修や護岸工事などによって劣化・消失しやすい。よって，個体群が今後さらに縮小する危険性があるため，前回からランクを上げた。

北九州市，福岡市（近年では未確認），大牟田市，柳川市，行橋市，古賀市（近年では未確認），福津市（近年では未確認），みやま市，糸島市，築上郡

砂泥質干潟に巣穴を掘って生活する。やや硬く乾燥した干潟に多い。肉食性が強く，主としてカニ類を捕食。雌雄ともに鉗脚を上下に振るwavingを行うが，何のための行動かはよくわかっていない。甲幅25mm。

福岡市（博多湾）が本種のタイプ産地であるものの，近年では確認されていないため，詳細な調査が求められる。