環境変化により生息地の減少・悪化，個体数の減少がみられる。前回評価時から生息状況は改善しておらず，引き続き同ランクとした。植物が豊富で水質の良い池沼を好むことから，ため池改修，管理放棄などによる水質悪化，植生変化は本種の生息に大きな影響を与えると考えられる。例えば，福岡市早良区東大谷池は本種がよく観察されていたが，池の陸地化により現在は全くみられない状況となっている。成虫が休息地などとして利用する周辺樹林を含めた保全が必要である。

北九州市門司区，北九州市戸畑区，北九州市八幡西区，福岡市中央区，福岡市早良区，中間市，小郡市，筑紫野市，新宮町，苅田町，上毛町，築上町

"北九州地方，福岡地方，筑後地方で記録されている。離島では相島に記録があり，水田跡湿地帯で多産する。近年，筑紫野市での確認情報もある。 平地から丘陵地のヨシやマコモなどの水生植物が豊富な池沼や湿地などに生息する。付近には樹林があることが多く，成虫が日中の休息や交尾に利用している。産卵は池の朽木や湿った泥に行う。幼虫は水生植物につかまって生活している。"

"1970年以前の記録：福岡市東区，久留米市 県内初記録は福岡 九州大学農学部構内及び久留米市の記録（宮本，1955）と思われるが，1950年に福岡箱崎で先に採集されている（朝比奈，1957）。"