冬鳥として県内各地の広い面積の農耕地に飛来する。筑後地方では筑後川流域周辺や有明海沿岸の農地などで比較的多くみられるが，他地域では局地的。筑後地方以外での安定した飛来地は曽根新田，瑞梅寺川河口周辺，遠賀川河川敷および周辺農地，雷山川周辺，福津市勝浦など。県内全域の生息数は500羽未満と推定され，飛来数は減少傾向となっている。タゲリは世界的に減少しているといわれており，繁殖地と越冬地の双方における農業の近代化や効率化が影響を与えていると指摘されている。

北九州市若松区，北九州市小倉南区，北九州市八幡西区，福岡市博多区，福岡市西区，大牟田市，久留米市，飯塚市，柳川市，大川市，行橋市，豊前市，中間市，小郡市，宗像市，福津市，朝倉市，みやま市，糸島市，遠賀町，小竹町，鞍手町，福智町，みやこ町，築上町

全長約31cm。上面は緑色光沢のある黒，下面は白色。黒く長い冠羽があり，胸には黒帯がある（樋口ら，1996）。ユーラシア大陸の中緯度地域で広く繁殖分布し，冬は同大陸南部に渡って過ごす（中村・中村，1995b）。日本では冬鳥だが，北陸地方で繁殖記録がある（樋口ら，1996）。水田，湿地，干潟，河原や湖沼の水辺などでみられる。開けて見通しの良い平坦地を好む。地上の昆虫類やその幼虫など，無脊椎動物を食べる（中村・中村，1995b）。

カテゴリー判定基準：A2，D