今回の調査では，北九州地域と筑豊地域6か所の複数地点で1,500株以上の現存を確認した。低山地～上部山地帯の常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に分布し，石灰岩，花崗岩，火山岩，樹幹などの様々な着生基盤に生育している。現存地点数・個体数が多いことから，選定基準に従いカテゴリーを見直した。日当たりのよい場所を好む傾向があり，植生遷移による被陰や着生する樹木の伐採，あるいは石灰岩採掘の影響を受ける可能性がある。

北九州市小倉南区，香春町，添田町，みやこ町，築上町

暖温帯の常緑樹林内の樹上や岩上に着生する多年草。茎は匍匐して仮軸分枝を繰り返し，上部が卵形に肥厚して先端に1葉をつける。葉は肉質で厚く，倒披針形で中肋が顕著，生育環境によって葉の長さや厚さは変化する。6～7月頃に茎の基部から花茎を側生し，小さな帯黄色の花を1～3個つける。側花弁は萼片とほぼ同長で縁に毛がある。国内では，本州，四国，九州に分布する。

耶馬日田英彦山国定公園指定植物，北九州国定公園指定植物