三郡・宝満山の自然林
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群落の特徴 | ブナ群落は,主に三郡山から仏頂山にかけての縦走路北西側谷斜面上部に点在するほか,仏頂山~宝満山頂付近ではモミ群落やアカガシ群落と交錯しながら生育している。下限は宝満山羅漢道の標高680 付近で,絶壁下の堆積土に生育する。本山域のブナ林は,本県の群落としては下限に位置し,照葉樹林帯上部のアカガシ群落と交錯することから,群落構成種は照葉樹林構成種と混在している場合が多い。モミ群落は,仏頂山北西尾根を中心に,宝満山にかけての尾根~斜面上部に見られる。本州太平洋側のモミ群落は,夏緑樹林帯と照葉樹林帯の中間(中間温帯)に位置する群落であるが,ここでは両樹林帯要素が混在して出現する。アカガシ群落は標高500 付近から上部に見られる。下方の林分は萌芽林が多いが,宝満山頂一帯は古くより神域として保護されてきたため,自然度の高い群落が多い。アカシデ-イヌシデ群落は,1970年前後まで薪炭林として利用されてきた雑木林がその後放置され,回復途上にある二次植生である。ツクシシャクナゲ個体群は,頭巾山西方の急斜面や仏頂山西方の谷上部のアカガシ林内の巨岩上などに点在しているが,いずれも個体数は減少している。難所ヶ滝付近にはケヤキの巨木が点在する。 |
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構成群落 | ☆ブナ群落(A),☆モミ群落(A),☆アカガシ群落(E),ツクシシャクナゲ個体群,ケヤキ群落 |
群落立地 | 当該地域は,県中央部をほぼ南北に走る三郡山地の南部に位置する。主峰三郡山(標高936 )から仏頂山(869 )にかけての福岡平野側斜面上部と,宝満山(829 )一帯の中腹以上では,自然植生が多く見られる。三郡山地の地質は,若杉山東南部を境に,南側は白亜紀末の花崗岩類からなる。本山域は,主稜は緩やかな山並みとなっているが山腹は一般に急傾斜である。特に南端の宝満山では,中腹以上で各所に絶壁状の斜面が見られる。 |
群落評価 | B(福岡県) |