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種の解説

犬ケ岳の自然林

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RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅢ
群落の特徴

登山口の標高400付近はホソバタブなど照葉樹林帯上部林であるが,500付近よりシデ類などを主とする落葉樹二次林,900付近より夏緑樹林帯となる。ブナは標高700より見られるが,群落としては900以上にあり,コハウチワカエデ,タンナサワフタギ,アオハダなどを伴う。

ミズナラ群落は,一ノ岳と大竿峠の間の尾根筋とカメの尾の北斜面の一部に見られる。樹高は8~10と低く,胸高直径も20~10cm程度であり,伐採後の二次林である。シオジ群落は,稜線北側の谷筋に沿って,土壌が湿潤で岩屑が崩落するような箇所に分布しているが,スギ植林のため伐採が進み,数地点に残るのみである。アカシデ-イヌシデ群落は,古くより薪炭林として利用されてきた二次林である。伐採後の経過年数や地形的な違いで多様な林相となっている。最も自然度の高い林は恐淵付近で見られる。クロクモソウ個体群は,標高700~900の日陰で,渓流沿いの飛沫がかかるような岩の間隙などに見られ,生育状況は良好である。

ツクシシャクナゲ群落は笈吊岩からカメの尾までの稜線と二ノ岳,国見峠の一部に大群落があり,見事である。花の時期には多くの登山者が訪れるが,心ない者によりエビネ類,ヤマシャクヤク,ゲンカイツツジの盗堀も激しく,絶滅に瀕しており,早急な対策が望まれる。

構成群落

☆ブナ群落(A・H),☆ミズナラ群落(E),☆シオジ群落(A),☆アカシデ-イヌシデ群落(E),☆クロクモソウ個体群(B),☆ツクシシャクナゲ個体群(G)

群落立地

当該地域は主峰カメの尾(標高1131)を中心に,笈吊岩から一ノ岳(1124)に至る主稜線北側斜面一帯である。地質は安山岩質集塊岩質よりなる。冬季は北西の季節風のため積雪量は比較的多い。

群落評価 A(福岡県)
補足情報
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