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種の解説

釈迦・御前岳の自然林

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RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅡ
群落の特徴

ブナ林は1970年頃までは南側につながる熊本県境の三国山,国見山の尾根筋にも存在していたが,拡大造林のため現在では釈迦・御前岳の尾根筋にのみ,かろうじて残存している。ブナ林域下部には御前岳南斜面にアカガシ群落,釈迦岳南側の谷にシオジ群落が存在していたが,現在はスギ,ヒノキ,ケヤキの植林や二次林となっている。

本地域のブナ群落は,急傾斜地で保水力の低い土地条件下に,かろうじて形成されている自然林である。スズタケが密生しているため種数は少ないが,高木層にミズナラ,コシアブラ,コハウチワカエデ,アカガシなど,亜高木層にマルバアオダモ,ベニドウダン,コミネカエデ,シラキなど,低木層にはスズタケの中にシロモジ,タンナサワフタギ,ウスゲクロモジを伴う。また,土壌が浅く岩場の多い部分にはツクシシャクナゲ個体群も見られる。

モミ群落は,御前岳南斜面の標高1000付近の岩場に見られる。群落高20~25でツガを混じえ,ゴヨウマツの高木も生育する。亜高木層にはヤマグルマ,ソヨゴ,マンサクなどが見られ,低木層以下はハイノキが優占し,コミネカエデ,コハウチワカエデ,コガクウツギなどのブナ林構成種と混生している。

サワグルミ群落は,釈迦岳南斜面の谷部分の標高900~1000に小規模な林分が見られる。クマノミズキ,シロモジ,ツリバナ,アブラチャン,ウスゲクロモジ,ヤブデマリなどを伴う。

構成群落

☆ブナ群落(A),モミ群落(A),ツクシシャクナゲ個体群,サワグルミ群落(E)

群落立地

当該地域は,矢部村と大分県前津江村および中津江村に接する県境に位置し,ブナ林は釈迦岳(標高1230)と隣接する御前岳(1209)の稜線部および斜面上部に存在している。地形は稜線の両側とも急な斜面となっている。地質はほぼ両輝石安山岩よりなり,下部に行くにしたがって集塊岩および凝灰岩,プロピライト,変成岩類に変化する。

群落評価 B(福岡県)
補足情報
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