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種の解説

アラカシ群落

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RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅡ
群落の特徴

アラカシは多様な場所で見られ,特に石灰岩台地の傾斜角35~50度の急崖地に多い。香春岳二ノ岳東斜面に見られる群落は石灰岩の露頭が比較的少ない急傾斜地に分布している。伐採後50~60年を経過した二次林であるが自然状態はよい。内尾薬師の群落は,平尾台から水晶山(標高531)を経て東側に延びた稜線の一角にある。樹高10未満のアラカシが密生し高木層を欠き,それぞれの直径は10~20cm程度で,平地に見られるような巨木は見られない。林床は石灰岩の露頭や岩塊で覆われるため,草本層の植被率は30程度である。

群落構成

香春岳のアラカシ群落では,高木層にヤブニッケイ,イロハモミジ,カゴノキ,ナナミノキなどがあり,低木層にはアオキが多い。草本層にナンテンのほか多くの種が生育している。キドイノモトソウ,モロコシソウ,オニシバリなど希少植物も生育している。内尾薬師のアラカシ群落の主な種はビワ,ナンテン,オニシバリ,コバノチョウセンエノキなど好石灰岩性の植物で,アラカシ-ナンテン群集に同定されている。この群落より麓側のアラカシ林は,土壌が深く含水量も多い立地に生育し,林内にバクチノキやクスドイゲなどを伴い,樹高は15にも達し,高木層の発達した群落となる。

保存状況

いずれの地域も岩角地であり,人の侵入は少ない。また香春岳では,林内はニホンザルの生息域である。これらの地域はセメント工場による石灰岩の採掘が行われており,砕石場の拡張に伴う樹木の伐採などの可能性がある。

群落評価 B(福岡県)
補足情報

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